L'étoile de mer 海星

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      今年のアジェンダ(暦手帳)は、昨秋に売り出しと同時に買ったもので。

     それは小さい頃に父が毎年くれた小さな手帳を彷彿とさせるもので、黄みがかった薄い紙質といい、臙脂色の小さな字体といい、薄い紙が金縁になっていて角のところに点々の切り取り線の穴がある所といい、、、、70年代風懐古趣味の「懐かしき手帳」なるもの。

       でも、パリの事件に始まり31日の夜も夜、最後まで残酷で暴力的なテロに終わった一月(日本で2月1日朝はこちらで31日夜)。

    1月31日のページの角を切ったときには、机に散ったその切れ端の三角を眺めながら、とても切なくなりました。





     

                                                                                          海星(internetより)
     


     二月に入って静寂のひとときが訪れ、リセットする機会に恵まれました。とくに、雪がふって静かに閉ざされた銀世界の街の平安は、まさに天からの恵みでした。









    Ombra mai fu - Amira Willihagen



    写真)純白。静寂。雪に閉ざされ、物音しない朝の銀世界。音もなく立ち上る暖炉の煙も白い。つかの間の魂の休息。

     

     
    Ombra mai fu (樹木の影で)

    Ombra mai fù di vegetabile,
    cara ed amabile,soave più

    レチタティーヴォ)
    私の愛するプラタナスの柔らかく美しい葉よ

    運命はお前たちの上に輝いている
    雷鳴や稲妻や嵐が
    決してお前たちの平和を乱すことのなきよう
    貪欲な南風も、お前たちを冒涜することのなきよう

    アリア)
    樹木の蔭において

    これほどいとおしく優しく愛らしいものはなかった 





     春の足音。
    春を告げる精霊の宿るという、プリムローズも咲きました。




     日本の家族からは大きな吉報が届き。これは過去数年の日々の上に咲いた花のようで。嬉しく、ただ嬉しく。この知らせにしばし浸って感謝していたいと。

     母の小包みもまた届いて。家族らと電話で話す事は笑いの時をもらったり。今起っているいろいろなことについても、その周辺のことについても、やはり深く通じ共感も多く。ソフィアとは高く輝る明かりのようです。



     


     
    海星(ヒトデ)のお話、、、
     


     
     隣の海岸の砂浜に今月、数千のヒトデが打ち上げられました。本当におびただしい数。幅も広い浜辺に一杯沖合まで黄色いヒトデが見え、凄い事に。(写真→)http://www.lepaysdauge.fr/2015/02/09/des-milliers-d’etoiles-de-mer-sur-la-plage-de-blonville/



     写真は本日のブロンヴィルシュルメールの砂浜。。。 


    「普通ドービルのビーチは、別の " Star スター"  がレッドカーペットを埋め尽くすのだが... 今回、海の星がムール貝のカーペットを埋め尽くした。」という記事。

    「唯一のよいニュースは、これらが病原菌による大量死ではないことで、天候によるものらしい」とのこと。


    この二日まえには、アメリカのテキサス州で海星が大量が漂流し、どれも健康体で専門家を悩ませているとか、、、








     


     ちょっとオドロオドロしいですが、ヒトデで一杯の浜辺を見に行きたい気もしたのですが、、予定や天候その他でなかなか行けないまま。



     お天気になって、星形の海星を探しに今日(21日)いってみたらこの通り。綺麗さっぱり。
     立ち寄ったお店で仕入れた情報では、、、
    大潮で海が綺麗にお掃除していってくれたそう。(やはりかなり異臭を放ったそう)

     そう調度、Grand marée グランマレー(大潮)で、浜辺の一番奥まで海が溢れました。

                                     




     
    海の星、海星(人手)とかいて、ヒトデ。

    音であるヒトデは「人手」という形からきたものを当てたもの。
    確かに、海(砂浜)に人手が一杯、、、と書くとちょっと怖いことになり。
    当て字でも「海星が一杯」のほうが詩的。

     
    フランス語でも、ヒトデは日本語と一緒で、海の星という名前。
     
    フランス語で星 ☆ は、エトワル étoile

    海星は、それに冠詞をつけて l’étoile de mer レトワル•ド•メール。
    フランス語ではそのまま「海のおほしさま」(海の星)と呼ぶ感じ、長い音になる。
     


    エトワル ド メール 
    (写真はインターネット)
     

    Star fish, Seastar(英語) 
    Asterias(ギリシャ語、ほし) 
    ドイツ語でも海の星。

    実は、殆どの言語で「海の星」「星」「星魚」など呼ばれている。

    実際は、うみぼし(うみのほし)と呼ばないことのほうが珍しいのだと気づきました。日本人だけがこれを人の手と見立てて、ヒトデと呼ぶ(読む)ようす。楓の葉を、小さな人の手と見立てる日本人らしいのかも知れませんね。

     


    そんなわけで、、、、小さな平和な地元ではヒトデ事件で持ち切りでしたが、フランス語のばあい、、、
    「ブロンヴィル•シュル•メール(街の名前)のシュル•ラ•プラージュ(砂浜に)エトワル•ド•メールが沢山あがったんだって!」
    というかなりまどろっこしい感じになります。え?と聞き返されたり、複数が伝言ゲームのように喋っているとかなり面倒くさい、しつこい長さです。
     
    単純に「ブロンヴィル海岸の砂浜に幾千もの海星が居るよ。」というだけでも
    「シュルラプラージュ ドゥ ブロンヴィルシュルメール、イリヤデ ミリエ デトワルドメール」
    Sur la plage de Blonville-sur-mer, il y a des milliers d'étoiles de mer.
    ( Il y a des milliers d'étoiles de mer sur la plage de Blonville-sur-mer.)

    お口のエクササイズになります。四秒くらいで言い切れば。





     18年に一度の超大潮が来る

     実は、いまの大潮は最大限に高低差があるとき。来月のグランマレー(大潮)には、18年に一度の大きい潮汐差がくるそうです。二月の大潮もそれに殆ど近く。
     モンサンミシェル、ヴェニスなどをはじめ、18年に一度きりの珍しい美しい光景が見れるのかも。。。
     
     Venice
     実は私はVenice に18〜19年前の冬に行ったのですが。夜について最初の翌朝が、見事なグランマレーで、ホテルのドアを開けたらもうそこは海の水が波打っている!なんとかヴァポレットにのってSt.Marco 広場にいってみたら細い板が渡してあるところを人が歩いていて。でも晴天で水面がキラキラ☆☆ そこの水位は30センチくらいでしょうか、下を歩いている人の足が膝まで浸かっていたので。教会の中のヴィザンチンのモザイクタイルの床も水の底にゆらゆらゆれて、光の中で本当に美しかった(海星はいませんでした)。それもボードの上を歩いて眺め。「これがベニスか!」と感嘆し。いつもそうだと思ったら、とんでもない。翌日はカラカラで逆にびっくりしました「Oh? 今日は水はどうしたんですか?」と。
     それから合計二週間いても(厳密にはローマで母と合流してからまたヴェニスへ帰ってきた、二度)そんな水に沈んだ景色はもう見れなかったのでした。あの海と陸の境のない水の広場の光景をもう一度みたい、、、いつもそうおもってきたものですが、、、!


     

    潮汐
    潮汐の大きさはフランスではCoefficient という係数で表されます(le coefficient de marée) 
    。20から120までの数値で表されるもの。 今月の大潮は117!で、来月の大潮には119の最大限になる。満潮と引き潮の高低差はここは大きいので、この日で8.85M。私達が今回見にいったのは、ちゃんと潮のカレンダーをみて(毎日各港町で時間刻みで予報されています。)、マレーオート(満潮)の三時間後にしたので写真の通り。白いのは泡の後で水位を表していますから、三時間早かったら道路まで水が溢れていたようです。


    21日早朝の、モンサンミシェルのとなり街、サン•マロの大潮のニュース (三つ目と二つ目のビデオ)でも、現地リポーターさんが映ったとたん突然の大波がきて、彼女は波にさらわれて倒れて一瞬流されてしまい危険でした。

     来月の大潮は3月21日を中心にした前後二日。実は引力が、地殻変動の引き金にもなるという、いまから三月の大潮前後は要警戒のようです。ウィキの「潮汐」のところにも地震との関係の項目があり、2011年の3月の東北沖地震の誘発地震であった長野県北部地震は潮汐に関係するとみられる地震が全体の50%で非常に高い相関が確認されていたとありました。ニュージーランドのクジラの大量漂着も電磁波の狂いかとみられ、大地震の前触れに起ることがあるといわれています。四月の大潮には落ち着きそうですが、いまから一ヶ月どこの国でも、事なきを祈ります。


     大自然の中にささやかに住まわせてもらう私たち。そして、、、グランマレーの干潮時刻は、潮干狩りのチャンス。大自然そのものは、危険と同時に恵みを齎してくれます。海や山、自然のそばで共に同じリズムの中に生きて居る人々ほど、海や山の怖さも誰よりも知っていて、真剣に注意をしあうもの。自然は無視できないもの、いつも生活の中にあり共に生きているもの。そして、なにかあって命を落とす時にも、海や山のそばに居る人はその事はすでに了解済みで生きている気持ちになりやすい気がします。それは、人間による化学の暴走や、核戦争や戦争、人間の愚かさの犠牲となって無念にこの世を去る事とはちがう、命の営みのどこか自然な形。。。大いなる自然の中に生きている人に取っては、自然は偉大で畏れながらも同時に母でもあり、自分自身の一部でありそれは自然な回帰というもの。悲惨であるのは、そこにまつわる、人間の行いの至らなさによる惨事です。

     そういうものがわからない人は、人間の愚かさによって招かれた死もなにもかもが、頭のなかで一緒になっているような言動をするような気がします。「だけどまあ、どうせ死ぬんだから、、。」それは一種の、Poverty, 貧しさです。知性と愛の貧しさ、教養の貧しさ、経験の貧しさ、心の貧しさ。貧しいとは、それらすべてが混在している状態です。



     


    Photocredit National geographic Manu San Félix 

     海星も、ちょっとあると海のチャームですが。



     今回は調度、満潮のときに海が荒れていて、ウール houleという大波のうねりが発生してそれに海星の群れが一気にさらわれ、浜辺の奥まで押し流された。とのこと。


     本来ヒトデは潮汐の影響のあまりないところに居て、引き潮でもなかなか見られないものなのですが。漁師さんのはなしによれば、ヒトデさんはムール貝さんが大好物らしく。なんと自分の長い胃の先をムール貝の殻の中にすべりこませて(!)この時期の美味しいムール貝をチュウチュウと堪能するという、意外に獰猛な肉食のグルメなのだそう。。。
    「その欲がヒトデを牡蠣やムールの居る湾の中へ呼び込みやすく、大潮の大波に巻き込まれるという命とりになったのだろう。」という見解。

     大好物と一緒に漂着。。。浜に残されたヒトデは、もしかすると、美味しすぎるムール貝に乗り上がってしがみついた貪欲派かもしれない。山ほどの大好物と一緒に、水の外に出て苦しみつつも、最後まで美味堪能しつつ欲望を昇華しつつお亡くなりになられたのかも。(勝手な想像)

                                   
    欲が命とり•••
    人間の欲望の話の結末に、どこか似ている気がします。


                              Nationalgeographic Michael Melford
     


    海星は、牡蠣、ムール貝、ホタテ、雲丹などを食べるグルメなのだそう。
    腕が切れれば再生してはやし、まっぷたつに切れても二匹の完全なヒトデになるそう。

    、、、イメージがすこし変わります。
    オーストラリアでは養殖牡蠣の大敵だそう。

     

     
                             
      ブルースター、青星という海星。
      人の手というより、人という感じがします。足を踏みしめて、頑張って崖に掴まっている感じが人にそっくり。
    Blue star. Credit Richard Ling (National geographic)

     









     
    〜ブロンヴィル海岸の砂浜にあがった、幾千もの海のおほしさまのおはなしでした〜

















    おまけ)帰りに発見してのぞいてお話をしたお店。ブロンヴィルの中心の幹線道路沿い。地味な普通の家に見えるけれど、中が可愛い。いくつも部屋があり、奥の間がSalon de Thé。「あらあ、ヒトデを探しにきたの?みつかった?」「いえ。これはウニの骨。」「ヒトデも私が小さいころは浜辺にあったのに、最近はぜんぜんなくなって不思議だとおもってたら、いきなりねえ。。。」「そうそう、そうですよね、僕が小さい頃は、、。」







    浜辺はまだ風が冷たい。

     


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